【海外移住の不安解消】日本に残す家族のための防災対策「やることリスト」

海外赴任

海外移住をするにあたって、日本に家族を残すことにぼんやりとした不安がありますよね。
私自身、仕事で数カ国単身で行く経験がありましたので、気持ちがよくわかります。

しかし、不安の正体を考えてみると、実は多くの心配ごとがあるわけではありませんでした。
お互いに生きてさえいれば、いざという時はすぐに帰ってくることができると気づいたのです。私が現在暮らしているベトナムも飛行機で6時間もあれば東京まで行くことができます。
しっかりと対策しないといけないのは、地震などの災害で駆けつける間もなく家族に危険が及んでしまうことでしょう。

今回は、日本を離れる際に個人的に最も心配した災害対策を紹介したいと思います。
この記事を読むことで、安心して海外移住をすすめることができます。

日本の災害リスク

対策にあたって、まずは日本にはどれほどの災害リスクがあるのか理解することが大切です。

日本は災害大国と言われています。以下の引用は日本がいかに災害リスクのある国かということを示しています。

日本の国土の面積は全世界のたった0.28%しかありません。しかし、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震じしんの20.5%が日本で起こり、全世界の活火山かつかざんの7.0%が日本にあります。また、全世界で災害で死亡しぼうする人の0.3%が日本、全世界の災害で受けた被害ひがい金額きんがくの11.9%が日本の被害ひがい金額きんがくとなっています。このように、日本は世界でも災害の割合わりあいが高い国です。

一般財団法人国土技術研究センターより

要するに、日本はそんなに広くないのに、災害が起こる可能性がとても高いということです。

直近で懸念されているリスクとして、首都直下地震(30年以内に70%程度)、南海トラフ地震(30年以内に70程度)、富士山噴火(これまで200年周期で噴火しているが、宝永噴火から300年経過)などが挙げられます。(内閣府防災情報のページ参考)

【地震対策】住居の見直し

まず行ったことは、住居の見直しです。

阪神淡路大震災での死者の内訳は、死者数6,402人のうち窒息・圧死が72.57%でした。
早朝発生したため、就寝中の方が多く、住宅に関する死因が7割以上を占めていました。(阪神・淡路大震災の死者にかかる調査、平成17年より)

まずは寝室を中心に、住宅内で地震から生き延びることを最優先に考えなければなりません。

家具の固定

激しい揺れで家具が転倒、落下、移動することを防ぐため、固定しましょう。

家具が倒れると、ケガにつながってしまうことはもちろん、脱出のための通路を塞いでしまう可能性があります。

固定方法は様々ですが、
賃貸か持ち家か、家具の配置場所はどこか、などの状況によって使い分けるといいでしょう。

方式特徴
L字型金具(下向け取り付け)家具と壁を木ネジ、ボルトで固定。
スライド式、上向き、下向き取り付け式があり、下向き取り付けが最も強度が高い。
ポール式器具(突っ張り棒)ネジ止めすることなく、家具と天井の隙間に設置する。粘着マットやストッパーとの組み合わせで強度が高くなる。
粘着シート(マット式)粘着性のゲル状で、家具の底面と床面を接着させる。
着脱式移動防止ベルト壁とキャスター付き家具をつなげ、移動を防止する。
東京都防災ページより筆者作成

寝室の整備

阪神淡路大震災は早朝5時台に発生しました。即座の対応が難しいため最も被害が出やすいと考えられるのは夜間〜早朝にかけての就寝中です。そのため、寝室の安全確保は非常に重要と言えます。

①寝室には重い家具を置かないようにしましょう。
ワンルームなどで難しい場合は、頭に倒れてこないように、なるべくベッドから遠い場所に設置するなど工夫が必要です。

モノを減らしましょう。
すばやい避難のためには、部屋がすっきりしている必要があります。普段から不用品を整理することをオススメします。

枕もとにすぐ履ける靴を用意しましょう。
地震の影響でガラスなどが割れており、避難時に足を怪我する恐れがあります。
災害発生時は焦っており、床に散乱したガラスや障害物に気づかないものです。

枕もとに笛を用紙しましょう。
万が一家具の下敷きとなってしまったり、ドアが開かずに閉じ込められてしまった場合のために笛を枕元においておきましょう。救急隊が駆けつけた際に居場所を知らせることができます。

火災対策

火災対策としては、まず燃えない工夫として
安全装置付き調理器具 、感電ブレーカーの設置。

火災を最小限に抑える仕組みとして
カーテン、カーペット、寝具などを防炎のものにする、住宅用消化器を設置するといったことが挙げられます。

より本格的なところでいうと、簡易自動消化器や住宅用スプリンクラーの設置もいいでしょう。

家の耐震工事

最も根本的な対策として、家の耐震工事が検討できます。

家の状態や業者によって金額や施工内容が大きくことなるので、今回は省略します。

昭和56年5月31日以前の建物の場合、自治体から補助金が出る場合もありますので役所のホームページや窓口で確認するといいでしょう。(この時に耐震基準が変更されたため)

災害時の連絡手段の確保

災害時には回線混雑により通信が難しい場合があります。
また、外出中に災害が発生すると、家族に会うのに思いの外苦労することがあります。
いざという時にスムーズに連絡が取れるよう、準備しておきましょう。

LINEで家族グループを作成

LINEの家族グループなんてすでに持っているよという方は飛ばしてください。
親世代になると意外とLINEを頻繁に使っていないケースがあります。私の両親も電話文化の人間でしたが、いざという時に通信経路は多い方がいいと考え、LINEグループを作成しました。

平常時から写真が送られてくるなど、コミュニケーション量が増えるという副効果も得られました笑

災害用伝言ダイヤル(171)の使い方を確認

名前を聞いたことがあるかもしれませんが、あまり使い方をよく知らない人も多いのではないでしょうか?
災害用伝言ダイヤル(171)とは、災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合にNTTから提供される声の伝言板です。NTT東日本のサイトに使い方が記載されています。

いざという時に全員が使えるように、事前に把握しておくといいでしょう。

ハザードマップの入手と避難場所の確認

当日離れ離れになってしまった時のために、避難場所をあらかじめ決めておきましょう。
ハザードマップを参考に、近隣の避難場所を把握しておきましょう。ハザードマップはお住まいの自治体のホームページで公開されています。また、窓口で配布している場合もあるので問い合わせてみてください。

一歩進んで、避難場所での集合時間も決めておくことも大事です。例えば、10時と16時にそれぞれ30分決めた避難所で待つなど…
一時帰宅する場合にすれ違いを防ぐことができます。

防災備蓄品の購入

最後に防災備蓄品の購入です。大型台風の接近時にスーパーから食料品がなくなったり、コロナ禍でマスクの買い占めが起きるなど、非常時にモノがなくなることは記憶に新しいですよね。

いざ大規模災害が発生してからでは必要なものが簡単に手に入らないので、事前の準備が大切です。

ここでは、私が実際に用意したものの中で、どの家族にも必要になるであろうものをリストにします。
各家庭ごとに必要になるものは違ってくるので、リストを参考にぜひ話し合ってみてください。

手回し発電機

災害時には電気の供給がストップしてしまう場合があります。
通信や情報収集に必須の電気を得られる手段を確保しておきましょう。

災害時には水道管の損傷などで断水するケースがあります。
ご存知の通り、人が生き延びる上で水の確保は必須です。飲料用、食事用、その他にも歯磨きなどの衛生、お風呂やトイレにも使います。大人1人につき、1日3リットルが目安とされています。理想的には1週間分くらいあるといいでしょう。
長期保存水のような商品もありますが、普段飲みながら減ったら購入という方法(ローリングストック法)をとるといいでしょう。

食料

人の生存に食料も欠かせません。最近では牛丼チェーン吉野家が備蓄用缶詰を発売するなど、バラエティが豊富になってきました。こちらも水と同様、ローリングストック法を取り入れるのもいいでしょう。

常備薬

持病などがある方は普段から多めに薬を用意しておければ安心です。こちらはかかりつけのお医者さんにぜひ相談してみてください。

ポータブルトイレ

普段あまりイメージがつきませんが、災害時にはトイレが大きな問題になります。
無駄に水を使わず、かつ衛生的に暮らすために災害用ポータブルトイレを用意しておくと安心です。

救急セット

災害時にはケガや感染症、など様々なリスクが想定されます。包帯、絆創膏、消毒薬、痛み止めや風邪薬など基本セットを用意しておきましょう。普段から使えます。

衛生用品

石鹸やシャンプー、歯磨きセットなど、清潔に過ごせるように余分に用意しておきましょう。
歯磨きができなかったり、石鹸で手を洗えないとストレスになるばかりか、病気の原因にもなってしまいます。

ゴーグル

ゴーグル?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらは富士山噴火用に購入しました。
過去に富士山が噴火した際には、東京でも火山灰が降り積もったそうです。火山灰は目を傷つける恐れがあるので用意しておきましょう。

防塵マスク

こちらも同様に、富士山噴火用に購入しました。
火山灰を大量に吸い込むと呼吸器系への影響が心配されます。詳しい火山灰の健康への影響は、阿蘇山がある熊本県のホームページを参照してください。

まとめ

海外移住の不安として、日本に残す家族が気がかりという点が挙げられます。
しかし、お互い生きてさえいれば、何かあった時には駆けつけることができるのです。

災害の多い日本で、生き延びる準備さえ整えておけば安心して海外に行けるのではないでしょうか?
この記事では、防災で重要な【住居の見直し】【災害時の連絡手段の確保】【防災備蓄品の購入】についてご紹介しました。

家族とのコミュニケーションの一貫として、海外移住をきっかけに防災について考えてみてはいかがでしょうか?

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